犬とご飯と肝臓の話

肝臓の数字が悪いですね

我が愛犬、ハーは数年前に肝臓の数値が良くないと血液検査結果が出ました。
その後の検査にて、比較的わずかに肝臓が小さいことが判明。
門脈シャントの疑いがあり、望むのであれば検査をということでしたが、
はっきりと診断結果を出すには開腹を含める大掛かりな検査が必要。

発覚した段階では急遽投薬を必要とするほどの数字でもないこと、
大幅な小肝症でもないこと、
以前出産時に行った開腹手術後のハーの様子を考えると、
もしかしたら無いかも知れないシャントの検査は無理にしないことにしました。
そして食餌の改善にて様子を見ることに。

※検査や手術を行わない私をどう思われるかはわかりませんが、
我が家は犬に大きな負担をかけてまで数ヶ月や1年2年の延命を望まない考えです。
もちろん目の前で苦しんでいる犬がいればそれ相応の対処はします。





ストルバイト結晶が出ています

ストルバイトを持つ犬は肝臓に問題を抱える場合が多い傾向にあるとの事。
今までの獣医師からの知識とハーのこれまでの様子を考えると、
度々の消化不良ももしかしたら関連があるのではと思う今日この頃です。

そして、それらの様子を見るために獣医師はとあるサポートフードを薦められました。
ですが、あの手のサポートフードにも落とし穴があり使い続けるには不安が多すぎました。

結晶対策のものは排尿を促すため、塩分が多く肝臓と心臓に負担をかける。
肝臓と心臓などの対策のものは、ストルバイトに良くないなどなど。
それにより、これを食べれば悪くなりあれを食べ、
あれを食べればこれが悪くなると堂々巡りをしている状態に陥るのです。
それについては獣医師も口を濁すしかないようでした。

あとね、、、、まずい!!!




それじゃ〜なにをあげればいいの?

私は考えました。
ストルバイト結晶対策にはまず

利尿を促すこと カルシウム、ミネラルを制限すること 必要以上のリンの制限

大体このあたりでしょうか。

それから肝臓対策はといいますと、
肝臓は負担をかけないことが重要。
要するに負担のかかるものはとらないようにする。
毒物となるものをとらないようにする。
ということで

たんぱく質の制限 アンモニア中毒予防のため排便を促す 重金属含有率の少ない食品で食餌を構成


このあたりですかね。
補足として、外国産などの材料を使わないこと。
本来、成分的には良いものだとしても、
抗生物質や農薬を大量に使ったものだとしたら・・・
怖いですよね。

そして、その辺を考慮の上計算し、現在の半手作りという食餌形体に至りました。
栄養素などの簡易的算出にはここが便利でした。

http://www.glico.co.jp/navi/


それに加え、食品成分の本を持っていると便利です。




で、何を食べさせてるかって話ですよね

ベースは国産フードです。
フードジプシーの方々では賛否両論ある、
固体に合わせて作ってくれる吉○油○のフードです。

いろいろ言われてはいますが、
しばらく与えて、他のフードを与えていたころのように
具合を悪くすることもないので、数年これを与えています。
ちなみに、このメーカーのフードをいろいろ試し、
相談と計算を散々して落ち着いた配合は、

-----------------------------------------------------
成犬用 Pライス(チキン、チーズ)
肝臓、結晶、軟便対策、ダイエット、セサミン強化
280Kcal/100g

たんぱく質 20%上 カルシウム 0.8%以下 粗脂肪 6%上
水分 10%以下 粗繊維 8%下
-----------------------------------------------------

このような内容です。 
一般的なプレミアムフードと呼ばれている物からすれば、
ずいぶんと考えられない構成ですね。
そして、まだもまだどうにかしたいので+手作りです。




毎日なんて面倒くさい

手作りも毎日作る暇も気力もなんてないので冷凍保存できるもの。
ハーのベストカロリーは、350kcal/日と僅か。
少ない自由度でおなかも持って体にも優しいものを。
そして
おいしく食べられるもの!

食材や配合について、山盛り書きたいことはあるのですが、
1年くらいかかりそうなので、とりあえず材料を書きます。

-----------------------------------------------------
サツマイモ
にんじん
かぼちゃ
白米、玄米、麦を1:1:1で炊いたご飯
できるだけ細かくすったゴマ
国産鳥ササミ
出汁取りに鰹節とイリコ
塩少々
-----------------------------------------------------

割合は、購入した材料の小売量により
ほぼ目分量なのでなんともいえませんが、

大体サツマイモ2
にんじん2
かぼちゃ2
ご飯3
ササミ1




大体こんな感じでしょうか。
ゴマは全体量が5kg位だと180ccグラスに2/3くらいです。
塩分は1kgに3g程入れています。
あと、近県産のブロッコリーが手に入ったときはそれも入れます。
最近はエノキを刻んでいれてみたり。

材料の入手は、道の駅などによくある、
生産者がわかる減農薬や無農薬の野菜などをなるべく利用しています。
間違っても某国産のものは使いません・・・




で、作り方は?



作り方は至ってって簡単で、鰹節とイリコで薄めに出汁をとり、
そこに小さく切ったにんじん、輪切りにしたサツマイモ、
適当に切ったかぼちゃを入れて煮えるまで煮ます。

かぼちゃはあらかじめレンジでチンしておくと
切るのも楽になるし、火が通るのも早くて良いです。



にんじんはこれくらいのサイズ。



サツマイモの皮は、そのまま輪切りにすると
ウンチのときに、お尻にぶら下がって困っていたことがあったので
ところどころ皮をむくといいようです。



輪切りにするとこのとおり。



そして、薄く叩いておいたササミを、沸騰した塩水に浸けます。
ゆでるのではなく、火を止めたお湯に浸けてください。





ゆでる場合よりも鳥の出汁が濃く出るので食いつきが良くなります。
そして火が通ったササミを取り出し1cm角ほどに刻みます。



ゆで汁は後で出汁として使うのでとっておきます。
ゆで汁に使った塩の量はきちんとメモして置いてください。
そして、後にできた全体量に入れる塩分量から引きます。



そして茹で上がった野菜の鍋からある程度出し汁をいったん除き、別鍋にとっておきます。
これは後で固さ調整に使います。
そして火の通った野菜にササミとササミのゆで汁とご飯、すりゴマを加え、混ぜ合わせます。



ゴマは粒のままではそのまま出てしまうので、
しっとりとするくらいまでしっかりすってから入れています。



固さの調整は、ご飯が水分を吸って固くなるので、
ご飯を混ぜ合わせてしばらくしてから調節します。



木杓子ですくって軽く振るとぽてっと落ちる程度を目安に、
野菜のゆで汁を足してゆきます。




これで完成です。
(以下これをお野菜ミックスと呼びます。)



我が家ではこれを一食に40g与えたいので、
40gずつ小分けしてラップに包んで冷凍しています。
一日2食ですので、一日2パック。
食べさせる前に電子レンジで解凍し、
お湯を50cc程かけて人肌になったらドッグフードを50gと混ぜて与えています。

それと、肝臓に良いといわれるミルクシスルのサプリメントと
ストルバイトに良いクランベリーのサプリメントを+しています。
具体的商品名は
アズミラ ミルクシスルとソリッドゴールド ベリーバランスです。




野菜ミックスを与えだして

サツマイモやかぼちゃに繊維が多いせいか
ぴたりと原因不明の下痢をすることがなくなりました。
その代わり一日3回程うんちをします。
片付けはたいへんですが、ウンチの回数が多いということは、
アンモニアの吸収を防げたということです。

水分量が多いので、おしっこの回数もおのずと増え、
ストルバイト結晶も排出されやすくなります。
水分の取りすぎは腎臓に負担になりますが、
ハーの場合、この程度だと大丈夫のようです。

そして、たんぱく質量も下げられました。
リンの多い肉類も少ないのでリンの量も減ります。
それからササミは消化しやすい良質のたんぱく質なので
肝臓に負担になりにくいものです。
痩せたり筋肉量が減るようであれば、
血液検査の結果次第ではササミの量を増やすのもいいかもしれません。
ハーは毛ヅヤも良く、筋肉量は減りませんでした。

そして何より、1年ほどこの食生活を続けて
一般的な血液検査と肝臓の項目もいくつか受け、
なんと見事にほぼ正常値に!!

正常でなかったのは、僅かに低たんぱく質という事と、
僅かに利尿が進みすぎという結果でした。
そのことから、フードにかけるお湯の量を少し減らし、
お野菜ミックスのササミの量を少し増やしました。
(注:材料に書いた量は修正後の量です)

-------------------------------------------------
2008年9月11日追記

この食餌を与えて2年数ヶ月がたちました。
つい先日の血液検査結果は、前回グレーだった2項目もクリア。
すべて正常値に収まりました。

ただし、野菜が多い食生活をすると、
尿のPh値がアルカリに傾く傾向にあります。


ハーの場合は、これを与える以前からアルカリ傾向にあり、
わずかにストルバイト結晶が出ていた事、
それと膀胱炎を数度経験したため、
それらの対応の為にベリーバランスを与えた上、
水分摂取を多くし、利尿を促す食生活にて対応しています。

ここで紹介しているお野菜ミックスは、
成分的に結石の元となる、リン、マグネシウムなどが少ない材料を使い、
カルシウム量にも十分に注意した上で調合していますが、
もし、この食餌を参考にされる場合は、ph試験紙などを使い、
食前食後などに尿のphチェックをし、様子を見てください。

アルカリ状態が長く続けば、
ストルバイト結石の可能性が出てくるので注意が必要です。

-------------------------------------------------

おやつなどは基本的に与えていません。
保存料が多く使われているジャーキー類などは絶対にあげません。
ただ、微量な何かを摂取できるかなと思い、
料理をしているときにでた野菜の端っこやお肉のかけら、
犬が食べても害のない、人の食べ物を僅かに与えることも多々あります。




最後に

え〜、長々とだらだらと書きました。
肝臓などに問題のない健康な犬たちの肝臓も、
現代一般的に売られている犬の食べ物や環境を考えると
かなりの量の薬剤や毒物などにさらされていると思います。

ちなみに狂犬病予防接種一本だけで、
一年間の鉛の許容量を超えています。
健康な子の肝臓もたまに休ませてやるのもいい事かと思います。


・・・
最後の最後に・・・
ここに書いた内容は、あくまでも我が家のハーの、
なおかつ現時点の場合ですので、
他の肝臓を患った子やストルバイト持ちの子全てに良い物かどうかはわかりません。
もしも、参考にされ実行される場合は、
十分に病状を考慮し、かかりつけの獣医師などと相談の上でお願いします。


私自身ハーの体のことが発覚した際、
不安で仕方なく、あちこちのページを参考に見まくったことを思い出し、
非力ながら何かの足しにでもなればとページにしてみました。
世の犬がみんな元気でいられたらいいなあ〜


〜追記2008年4月18日〜
肝臓に問題のあるらしいハー助さんの父は名のあるオーストラリアチャンピオンです。
母も計画繁殖された様子が伺えるオーストラリア産の犬です。

しかしながら実のところ父母、祖父母の詳しい健康状態や遺伝情報などは知るすべもなく、
実際はどんなものなのかはわかりません。
でも、父母の代の血統を見る限りでは両者きちんと計画繁殖されたものだということだけはは読み取れます。
ハー助さん自体はアウトクロスで生まれた犬なのでどうとはいえないのですが、
父母的にはたぶんに健全な犬ではなかろうかと。

そして、先祖代々全て健全な犬だと仮定します。
その場合でも時として何がしのハンデを負った犬が生まれることもあります。
または成長段階で後天的に不完全に育ってしまう事だってあります。


肝臓にハンデを負った犬を調べるにつれ、遺伝性のものの報告も多数あります。
たまたま生まれてしまったものは仕方ないと思うしかありませんが、
遺伝性のものは防ぐべきだと思います。
小肝症やシャントなどの肝臓においての遺伝疾患が問題になっている犬種もあります。
その犬種のブリーダーは繁殖をする前に肝臓のチェックをするそうです。

ボーダーコリーの何とかいう遺伝疾患や、ダックスやゴールデンの脚などはメジャーになりましたが、
肝疾患は多発している割にはまだまだマイナーです。
どんな犬種でも、これからの繁殖前のチェック項目に、
肝臓のチェックがスタンダードになることを私は強く望みます。
そしてせめて、繁殖をする人には遺伝についての知識を持っていただきたい。


「メンデルの法則」
学生の頃に聞いたことがあると思います。
最低限これを理解できていない人には繁殖をしていただきたくないとおもいます。

「うちの子は元気だし、お嫁さんも元気だから大丈夫ね!」
そういう風にお考えの方、ヘテロという言葉をご存知ですか?
ご存じないのであればヤフーでもグーグルでもいいからちょっと検索してみてくださいませ。


やっぱりまた話がトゲトゲしちゃいました。
あ〜あ。

両親や出身犬舎名を出していたりとしていたので今まで書けなかったんですよ。
何らかのおじゃまをしては悪いかなとか思ったり。
今はもうジャックを繁殖していらっしゃらないようなのでアップです。
でも、小さく小さくね・・・

ただね、情報のひとつですよ。
どう考えるかは読み手次第だから怖いなあ〜


戻る
※検索サイトなどからお越しの方でメニューフレームが表示されなかった場合はココをクリック※