電気饅頭屋の茶番劇

Sat.May.14.2011

ハイサーイ!私の徒然草 小春日和の韓国語のお勉強
環境エネルギー研究所
 名物饅頭を製造販売する老舗の会社がお客さんの注文に応じきれなくなった。それに原料も高騰して品薄になった。

 どこで人生観を間違ったのか、いい機械を見つけてきた。一度原料を買ったら、次ぎからは買わなくても、饅頭を作れば作るほどに原料が次々に増える夢のような新型の饅頭製造機だった。

 ただし原料は猛毒なのです。それがこの機械にかかるとおいしい饅頭に変わる。これを電気饅頭と呼ぶことにした。

 ところが、困ったことに、この電気饅頭製造機は思いもかけない原因で時々あんこが機械のすき間から有害なガス状になって噴出したり、突然爆発したりする。

 爆発すると50キロとか100キロにわたって、饅頭の原料である毒が飛び散って人々の生命が危ない。毒は風に運ばれて遠くの池やダム、農作物、家畜のための牧草も汚染してしまう。海に流れると海も毒で汚染してしまう。

 こんな危険な工場をまさか都会近くに作ることはできない。人口の少ない小さな街に作らなくてはならない。雇用がなくて困っている過疎地に、工場は安全できれいです。工場を作らせてくれれば、町の人々の働く場所もできます。給料もいいです。それに町には国から交付金を出してもらいます。いい暮らしができるようになりますよ。

 その交付金の出所は、饅頭を売るときにこっそり税金を上乗せして国民の皆さんから集めたお金です。ああ、そんなことか、私も知らなかった。知らないうちにとられていたんだね。

 危険な工場だなどと言ったらどこも作らせてはくれない。安全安全と安全神話を企画しよう。私が言っても信用しないから、大学の先生に安全だと言ってもらおう。少なくとも余計なことは言わないようにしてもらおう。そのためには研究費とやらを惜しまず提供しよう。お金をもらってしまえば余計なことは言わないだろう。言うことを聞かない先生には研究費も出さず、少しは嫌がらせもしよう。新聞社の人にもきてもらって、安全だと言ってもらおう。マスコミが反対しないようにここにもお金を配らなきゃ。

 この事業には政府の後押しがあると助かる。有力政治家やお役人を使って、政府にこの事業を企画させよう。会社はこの電気饅頭工場建設も電気饅頭製造も政府の政策に従った形にしよう。献金だけでなく、帳簿も表に出せないような裏のお金を湯水のようにばらまけば、お金をもらった奴はみな我が社の下請けみたいなものさ。天下りも引き受ける。我が社に天下りしたい奴は皆味方さ。誰が何と言ったって我が社の勝ちさ。

 地元の議員さんやお役人さんにも惜しまずお金を配って多数派作りをしよう。反対する奴は村八分さ。

 でも、いくら人口が少ないからと言っても、事故が起きれば地元の人は生命が危ない、町も全滅して全てを失う。しかし、万が一のときはごめんね。これまでいい生活をさせてあげたのだから。それが本音ではあるまいか。

 最初から事故の被害を受けていることははっきりしていても、因果関係がはっきり証明できないものには賠償金を払うまい。

 すでに舞台は完成している。そのために湯水のようにお金をばらまいてきたのだから。政府も共同責任だと主張しよう。支払い能力がありませんと言おう。

 大事故が起きることは最初から承知の上。事故が起きてしまえば、被害者のことなど何の関心もない。これは許せない。

 問題がひとつ。それはこれまでの法律というのは19世紀型の小さな事件やトラブルには対応できるけれども、現代の電気饅頭工場の爆発のような、とてつもなく広汎で大規模で、長期に及ぶ事故事件には全くなじまない。

 だからこそ19世紀型の法律をこの饅頭工場爆発事故にも杓子定規に適用しようとする。ほとんどの被害者が補償を受けられなくなる理不尽が生じる。

 つまり、あまりにも早々と「明確に因果関係が証明される」判定基準を作れという注文を付けるというのは、大多数の被害者を切り捨てようという意図がありありで、この電気饅頭製造販売会社の誠意の欠落は許しがたい。お金の問題もあるが、人間性の欠落こそもっと許せない。