樋口一葉の日記

Fri.Feb.25,2011
ハイサーイ!私の徒然草 小春日和の韓国語のお勉強

 NHKの番組は、必ずしも長いものでなくても、わずか5分、10分程度の番組でも心に残るものがある。2月22日NHK教育テレビの10min.ボックス(現代文)「日記」の中のわずか3分間、樋口一葉の日記が紹介された。私にも思い当たることがあった。

 当時女性は社会的地位が低く、文学の世界でも、女性が作家を目指すこと自体、珍しいことでした。

 そんな中、一葉は作品を書き続け、明治28年、22歳のときに代表作「たけくらべ」を発表します。

 この作品が絶賛されたことを友人の作家たちから聞きます。

 2人の友人が訪ねて来た。君にごちそうしてもらおうと思って来たのだという。

 その友人は当時の文壇で最も影響力のあった文豪の1人、森鴎外が一葉を賞賛している文章を見せます。それはまさに文壇でお墨付きを得たに等しいことでした。

 しかし、一葉は冷ややかでした。

 ただ、女子(おなご)なりというを喜びて、もの珍しきに集ふなりけり。

 ただ、うまし、上手なりといふ計(ばかり)。

 その外にいふ詞(ことば)なきか。

 いふべき疵(きず)を見いださぬか。

 いとあやしき事ども也。

 と書いている。

 これは、最近、手紙を送っても、メールを送っても梨の礫(なしのつぶて)。何か書き送っても「ありがとうございます」とは言うけれども、中味については何一つコメントしない。ありがとうございますと言えばいいというものではない。このとき一葉と同じように、「いと、あやしき事ども也」と感じる。その「ありがとうございます」には全く誠意を感じない。

 丁寧な手紙をもらった時は、その時まで関心がなかった事であっても、目を通して、考え、なにがしかのコメントをつけて礼を言うのが常識だと思うのだが。