ラスベガスのレストランで
Wolfgang Puck Cafe

砂漠の中のオアシス、ラスベガス

Dinner

MGM Grand Hotel 3799 Las Vegas Blvd.NV89109
Wednesday,August16,2000 time 20:26

[ハイサーイ!私の徒然草] ラスベガス [英 語] [韓国語]


   私の周辺には日本語を話す人は私の妻以外には誰もいない。私もまた周囲の人たちの言葉がわからない。私が言葉の壁に穴を開けるとき、手に汗を握るような興奮を感じた。これこそまさに私が期待していた海外旅行である。

   日本にいるときはちゃんと話せないことが恥ずかしくてアメリカ人に話しかけることはできなかった。しかし旅行中は上手に話せないから恥ずかしいという気持はほとんどなかった。恥ずかしいなどと言っている余裕はなかった。わからないことは通じようが通じまいが近くの人に聞くしかなかったからである。

   相手の言っていることの十分の一でも単語の1つでもわかれば、相手の身振りや表情で、今何をしたらよいかということはどうにか推測がつく。芸を仕込まれたチンパンジーと大体同レベルのコミュニケーションである。ところで、見かけはチンパンジーによく似たボノボという類人猿がいる。私の英語でのコミュニケーション能力はアメリカ生まれで、アメリカ育ちのボノボ、カンジ君よりはるかに劣る。

   このようなチンパンジーと同じ程度のコミュニケーションでは困る場合がある。それは食事である。もちろん日本食のレストランで食事をするとか、パンや牛乳の類ですませるならば苦労はない。日本食のレストランは1度だけ利用した。料理が日本の2人分位あるのには驚いた。しかし、アメリカで日本料理店に入るというのはなんとも空しい気がした。2度と入るものではないと思った。

   ここでチンパンジーの名誉のために一言お断りをしておかなければならない。オランウータンは今から1500万年前、ゴリラは800万年前、チンパンジーは500万年前に人類と袂(たもと)を分かった。ボノボの起源についてはよく知らないが、もっと人類に近いはずである。400数十万年前の人類の先祖であるルーシー嬢と酷似している。

   彼らは類人猿と呼ばれて、猿の1種だと考えられてきたが、遺伝子DNAを比較すれば99%我々人類と同じである。むしろ彼らは人類であると考える方が正しい。軽々しく「チンパンジー程度」という表現をするのはチンパンジーに対して大変失礼なことである。

   それでも不思議なことがときどきあった。単なる偶然であろうが、英語で復唱することはできないにもかかわらず、あたかも日本語で言われたかのようにその意味が瞬間的にはっきりとわかってしまうことがあった。

   MGM Grand Hotel の中のWolfgang Puck Cafe で食事をしようということになった。注文する料理を小さな手帳にメモして店に入った。入るとすぐにウェイターにメモを見せて注文をした。ウエイターがメモを見て、"ОK"といって、何か言ったけれどもよくわからなかった。私は戸惑った。横にいたウエイトレスがもちろん英語で「日本から来たのですか?日本語を勉強している娘がいるから呼んできます。ちょっと待って!」といった。

   そして連れてこられた娘がテーブルに案内してくれた。日本に行ったことはあるかとたずねたら、まだ行ったことはないが行きたいと言った。彼女が日本語を勉強しているのであれば、私はもっと日本語で話してあげればよかったのだが、私は私で心の余裕がなかった。ときどき横を通りかかったときに"おいしい?"と声をかけてくれた。

   食べきれないほど山のように出てきた料理を食べ終わって「Bill please!」と電子辞書を見て大きな声で言った。いつの間にか私の席の後ろからSОNYの電子辞書をのぞき込んでいた。レシートの余白に平仮名で「きょうはありがとうございました」と書いて、最後に「Thank you!がんばってください!」と言ってくれた。夏休みではあるし、聡明な学生アルバイトという感じだった。おかげで私たちは砂漠の真ん中で飢えなくて済んだ。

Wolfgang Puck's Cafe Dinner Menu 1999.10.11

Main Course/本日の夕食

Barbecued ribs ObaChine style,hoisin ginger honey glazed,Asian slaw
Steak Frites-grilled Certified Angus rib-eye steak with herbed seasoned
French fries その他、パンとサラダとオレンジジュース