きめ細かさの美 日本文化

Tue.May.19.2009

[ハイサーイ!私の徒然草]  

   日本人よりももっと日本文化を愛した人。それはドナルド・キーン氏だと思う。先日BSハイビジョンの“未来への提言”という番組でそのお話を聞いた。いい話はいつも偶然に出会う。わかっていたら録画して何度でも聞きたかった。

   毎日曜日早朝に教育テレビで「日めくり万葉集」という番組がある。選者はいろいろである。わずか5分間。私は高校時代以来、万葉集だとか、俳句だとかとは縁はなかった。しかしここにこそ究極の日本人の心がこめられていると思った。漢詩でもなければ、Poemでもない。

   それから、風林火山でもなく、天地人でもない、NHK大河ドラマ「篤姫」である。まさにこれぞ日本文化だと思った。太平洋戦争敗戦を境に消滅してしまったけれども、ドラマに流れるのは時代を越えて日本人が心の深層に共有してきた精神の大河である。

   衣装、建物、庭園、調度品、料理であれ、菓子であれ、その色彩であれ、形であれ、人々の立ち居振る舞い、言葉遣いに至るまで、目に入るもの、耳に入るものすべてが、微に入り細に入り、洗練されていることである。日本人的繊細さにある。その美は世界に類を見ない。

   日常的には日本料理というほどの食事はしてはいないけれども、ちょこちょこっと出て来るし、日本料理は味も繊細で、見た目も繊細で美しい。

   文学も沢山ある。近代の文学の中で、私の心に強く残っているのは夏目漱石の世界である。どれひとつとって見ても、日本的と言われるものは繊細さの美である。情の細やかさにある。雑さとか大味というのは日本的ではない。