懐かしい槍ヶ岳の槍の先
Fri,Jan.05,2012
| ハイサーイ!私の徒然草 |
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それは1967年8月中旬のことでした。職場の先輩と北アルプス縦走をした。 第1日目は長野県松本までJRで行き、バスに乗り換えて安曇野の中房温泉に着いた。 2日目は、雨の中を小学生の列に混じって燕岳に登った。北アルプス銀座というように細い登山道は混雑した、山頂では気温は10℃、湧き水は4℃で冷たく手が痛かった。この日は燕山荘で一泊した。 3日目は大天井岳を越えて西岳まで行き、その日は西岳小屋に泊まった。 松本に到着してからずっと小雨模様の天気だったけれども、ここでは夕方には雲が下がり、空気は澄み切った。尾根の東側では真っ白い雲海が果てしなく広がっていた。 西側の深く広い谷間には淡い水色の空気が満ちていて、あたり一帯が空気の湖の中だった。その真向かいには雄大な槍ヶ岳がそびえ、槍の先が夕日で真っ赤に燃えていた。 景色に見とれていると、深い山の空気に吸い込まれそうな気がした。 4日目は尾根伝いに槍ヶ岳に向かった。途中一番怖かったのは東鎌尾根である。左手は断崖絶壁で、重いリュックを背負い鎖にしがみつくようにして渡った。 今、NHK BS103で北アルプス特集を見ている。槍ヶ岳の槍の先に上るのに垂直な鉄梯子をずいぶん登らなくてはならないことに驚いた。 あの時は確かに鉄梯子を登った。先輩は高所恐怖で俺はここでいいといって槍の先にはこなかった。大したことはないのに、来たらいいのにと思った記憶がある。しかし今テレビで見ているように、こんなにいくつもほとんど垂直にかかった鉄梯子を登った記憶がない。 その日は、台風接近のニュースを聞いて、上高地に下山する予定を変更して、新穂高、高山に下山することにした。滝谷の見える槍平小屋に一泊した。滝谷を登る人は落石から身を守るために朝一番に登るから、暗闇にうごめくライトが見える。 自然とか山とかをテーマにしたテレビ番組の中でも北アルプスの景色を見るのが一番好きである。 今、行きたいところはいろいろある、先祖の地である東北地方にいきたい、時間がゆっくり進む沖縄に行きたい、韓国に行きたい。今一度行きたいけれども、おそらくもう行くことはできないだろうと思えばますます行きたい気持が募るのはなんといっても槍ヶ岳の槍の先です。 |