欠陥車の恐怖

Sat.Aug.01.2009

ハイサーイ!私の徒然草

 ずいぶん昔、あの頃はまだ、マニュアル車の時代でした。私の三菱のランサー・フィオーレが、運転中にシフトレバーが金属疲労で折れてすっぽ抜けるという事故がありました。新車からちょうど3年半でした。

 農村部の学校に勤務していました。雨が降っていました。あとちょっとで学校、という農道での出来事でしたから、車を乗り捨てて歩いて行きました。近くのディーラーの工場に引き取りにきてもらいました。

 出来上がって工場長自ら車をもってきました。学校の玄関先で請求書を出されたが、腑に落ちません。シフトレバーが折れるなんて常識では考えられません。破談面を見ると明らかに金属疲労でした。

 私は「これは欠陥車ではないのですか?」と言った。割合声は大きかったように思います。

 工場長は、「先生、大きな声で、言わないで下さい。修理費はいりません」と言って慌てて請求書を引っ込めた。

「だって、珍しい事故だから、すでに職員室で皆に言ってしまったんだけど・・・・」


 この件はこれで決着しました。


 ところがです。修理してからまさに3年半経った日、福岡市内を走行中に、再び、何の前触れもなく、パキッと音がしてまたシフトレバーがすっぽ抜けました。今度は交通量の多い市内でしたからびっくりしました。そっと惰性で車を脇に寄せて、市内にある三菱自動車の別の営業所に修理を頼みました。もう薄暗くなっていました。

 係長と若い整備士が車を引き取りにきました。整備工場に着くまで、係長も整備士も一言もものを言いません。何かしら重苦しい空気でした。

 修理ができました。また、私は「これで2度目だが、これは欠陥車ではないのか」と言った。ところが、あろうことか、係長は「2度も折れるなんて、運転の仕方が悪いとしか考えられない」と言った。

 「運転の仕方が悪いと言ったって、私は関取でもなければ、プロレスラーでもない。普通に運転していて折れたのに運転の仕方が悪いとは何だ。交換したシフトレバーを返してほしい。破談面は明らかに金属疲労だ!」


 しかし、交換した古い部品は証拠隠滅して返してくれませんでした。いそれに脅しめいた言葉も吐いた。「これはまさに欠陥車であることを知っているな?」と思いました。

 折角修理はしたが、これから3年半経つとまた折れることは間違いない。3年くらいで買い替えようと思った。そして二度とこのメーカーの車には乗らないと決めた。


 ちょうど3年経った年末(平成5年の12月頃)のある日の夕方、一番車の多い時間帯でした。交差点の信号を渡り切ったところで、前がつかえていて止まっていました。

 その時後ろから来た車が止まっている私の車にほとんどノーブレーキで追突しました。運転者は何か考え事でもしていたのでしょう。トランクはめちゃくちゃです。前も玉突きでだいぶつぶれました。ディーラーではなくて別の修理工場にもって行ったけれども、ここまで壊れたら修理は不可能。私の身体には別に異常はありません。

 車は特運転上の支障がなかったので、何ヶ月かそのまま乗りました。そして日産のサニーに乗り換えました。正直なところ、買い替えようか、どうしようかと迷っていた時期でしたから、「ありがとう」よくぞ追突して下さった。これで踏ん切りがつきました。おかげで買い替えの出費は驚くほど少なくてすみました。

 ランサーは二台とも10年がやっとこさでした。  ※その後14年間サニーを乗りつぶすまで有効に使いました。


 長男がこのメーカーの車を買うというから、やめなさいと言ったのに聞かずに買いました。間もなく、ブレーキが利かないというトラブルがありました。それ見たことか。しかし三菱自動車では「大変親切に修理してくれた」そうです。私は、「なぜ、ことさらに親切だったかかわかるか?きっと会社ぐるみの欠陥隠しだよ。物事はその裏を読まなきゃ!」

 それからしばらくして、このメーカーの欠陥が大問題になりました。それ見たことか、いつこうなるだろうとは思っていました。長かった。このメーカーはもう立ち上がれないと思いました。

 しかし、のど元過ぎれば、消費者はまたこのメーカーの車に乗っています。私は絶対に乗りません。あの「運転の仕方が悪い」という言葉は心から消えません。

 世の中とはそういうのものです。