TPPにネギカモがやってくる

Fri,Nov.11.2011

[ハイサーイ!私の徒然草]

 鴨(カモ)がのこのことネギを背負ってくる。

 騙しやすいお人好しが、お土産まで抱えて、ノコノコと騙されに来る。アメリカは日本がTPP参加表明を固唾を飲んで待ち構えているのではないか。

 他のニュースと違って、国民にはこのTPPに関しては何一つ全体が見えない。経団連会長が原発推進やTPP参加を言う。日本の工業製品の輸出が伸びる。日本のGDPが増える。農業団体は反対。医師会も反対。

 賛成、反対の声を上げている人たちの言い分は分かる。しかしこの国全体としてはどうなのかは皆目分からない。

 本当にGDPが増えるのか、どの程度増えるのか。GDPが増えたとしても、一般国民、特に格差拡大によって貧困に喘いでいる人々の生活が、憲法が保証する健康で文化的な生活が保障されることになるのかは全く分からない。

 新たな貧困を生む可能性さえある。国のあり方を変えない限り格差は止まらないかもしれない。

 経済界の人間、政治家は全てGDPでごまかしてしまう。GDPが拡大すればみんな生活がよくなるというのはウソである。

 かつて、高度経済成長期には、貧困なんてなかった。これは極端な言い方かもしれないれども、格差はあったにせよ、少なくとも大多数の国民が「国民総中流」だと思っていたではないですか。

 マイホームのローンを借りても金利が高くても給料も上がるから比較的楽に返済できた。ローン破綻など考えもしなかった。預金すれば、物価上昇で貨幣価値が下落してどんどん溶けていく。お金は借りて使った方が得だと感じていた。これがバブルですね。その代わり、バブルがはじけたときに破綻が起きた。

 いま、民営化を進め、規制を緩め、小さな政府を目指し、経済をグローバル化し、規制を取っ払い競争原理を野放しにした。国民に自助努力を迫った。その結果、経済的に豊かになる人は豊かになり、貧しくなる人はどんどん貧しくなっていった。これは当時小泉・竹中が言っていたのとはまるでちがう。

 小泉・竹中氏はいかなる経済学者の理論に基づいて改革を進めたのか。経済学に騙されたのではないか。その経済学はアメリカの国益のための経済学ではなかったのか。それに乗っかった日本の政治家が騙されのではないのか。学問は中立ではない。中立の仮面を被った政治の道具ではないか。

 核兵器だってそうだ。科学者でさえ国益のためには核兵器開発に協力してきた歴史からしても、経済学においておやである。

 全てがアメリカのシナリオ通りに進んでいる。今回のTPPにしても菅直人前総理が突然言い出して以来、国民にはその趣旨は何も説明はしていない。

 野田佳彦総理は各界の代表と話し合ったというが、公に明らかになっていない。一体TPPとは何かすらまともな説明がなされていない。国民は断片的なきわめて数少ない情報しかない。各界の代表と話すのと、国民に周知することとは別のことである。国民は何も知らない。韓国の広報ぶりを参考にすべきだ。

 すでに参加国間でどんなことがTPPで協議されているのか、具体的なことはともかく、日本としての全体的な考え方がまとめあげていなくては協議すらできはすまい。

 アメリカは周到なる準備をして、膨大な資料が出来上がっているというではないか。アメリカがTPPを言い出したのには、アメリカの国益実現のためという、明確で不退転の目的がある。話し合いで基本線を変更するつもりはないはずだ。

 何の準備もなくて、もちろんアメリカの周到なはっきりとした意思をもって進められた準備に比べれば、日本のやっていることは何の準備も無しにノコノコ出かけていくようなものである。まさに待ち構えていた所にお人好しのカモがやってきた。

 そんな感じではないのか。