出版不況と売り上げランキング

Mon.June.09.2008

[ハイサーイ!私の徒然草]  

   明治時代からの老舗出版社も含めて昨年1年間で66社の倒産はこの10年間で最高だという。

⑴ 1日220点という出版される本の急増と、読者の本選びの売り上げランキング依存が止まらない。ゆっくりと本を探す客の減少。

⑵ 限られた売り場面積。ランキング外は即返品。時間をかけて売ることができない。中味にこだわった良書でもランキングに乗らなければ販売のチャンスがえられない。大型書店は増えて中小の書店の倒産。

   私は書店によく足を運ぶがほとんど本は買わない。見るだけ。別に立ち読みする訳ではない。目立つところに沢山の本が積まれているが、表題を見るだけである。これらはすぐに姿を消す。面白そうではあってもほんとうに買いたくなるような本がない。

   すぐに考えてしまうのは、読んだ後でその本の処分に困ることはないか。古紙回収で出すのか。古書店で買ってくれるだけの残存価値がいつまであるのか。

   本の価値とは何だろうか。現在の自分の人生観を深めてくれたか、広げてくれたか。そして内容が私の人生観のネットワークに取り込まれて、長く自分の中に残るか。そうでなければ意味はない。単なる知識を増やしただけでなくて、なにがしかの感動らしきものがなくてはつまらない。

   一生自分の中に残るのは内面性の高い中味だけである。その時の問題を考えるには意味があっても、知識としてはすぐに古くなる科学技術、政治、経済分野の本。理科は文科としてとらえなくては面白くない。理科がなくては文科は深まらないし広がらない。

   私が定期的に買うのはNHKの「ハングル講座」のテキストと「知るを楽しむ」の「この人この世界」とか「人生の歩き方」だとか「私のこだわり人物伝」、かつては「NHK市民大学」「NHK人間大学」など。

   若い頃は夏目漱石だとか日本の文学を読んだけれども、今はむしろ人生について自分で考えることが多く、その道の最高の探求者の話を聞いて感ずるところが多い。

   直接会う機会はないからNHKの番組でお目にかかってお話を聞くしかない。時代を越えて場所を越えて本物の話を聞きたいだけである。世代を越えてまで長く保存価値のある番組でなくてはならない。