そういった基本的な欲求が満たされると、今度は他者との愛情関係に目を向けます。自分のいる集団の中で、自分が深く理解されて、深く受け入れられることを望みます。そして、それがある程度かなうと、芽生える感情は、承認の欲求で、他者から認められ承認されることで、自分の自尊心を満たしたいと願います。
そして欲求の頂点にくるのが、自己実現の欲求です。自分の才能や努力を開花させたいと願う、自己実現の欲求です。それは他者からの評価というよりも、自分自身が納得のいく自分の気持が主体です。
成長とは、本来持っている才能や創造性がとどまることではなく、精神的にも身体的にもたゆみない発達を示唆しているというのです。
人間の一生は、楽しみや喜びと表裏一体となるように、哀しみや怒りや挫折などを味わわなければならない時があります。そして、人は大いに悩み挫折をクリヤする努力をして成長するといいます。しかし、挫折をしたことを、長期にネガティブ思考から抜け出せずにいると、自分にとってマイナスな言動に陥りがちです。私達人間は、ネガティブ思考に埋没すると、心身に与える影響も、個人差はありますが、少なくないといいます。マズローの考え方にあてはめると、自分自身の成長を感じ取り、達成感をわずかでも感じとれた人は、ポジティブ思考に生きられるということです。
私は幼い頃から、絵を描くのが好きでした。私自身挫折や外界からのストレスにおそわれると、ネガティブ思考になりがちです。ただ、これまで絵を描くことでポジティブ思考に変換していったように思います。絵を描くためには自然のものをよく見ます。写真もよく撮ります。山や海、小さな生き物から私達人間にいたるまで、自然のものはその存在の根を同じくしています。命は繋がっています。
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四季の変化の中で風のさざめきや道端のタンポポの綿毛にいたるまで、自然の呼吸に心や耳や目を傾け、そしてそれを絵にしようとした時、自分のネガティブな感情の手放しは容易になります。
何度も試行錯誤しながら、描いた作品が下手でも仕上がった時、自分の中で小さな自己実現が経験できたと感じたとき、プラス思考に変換できたのでした。
私は14年間専門学校で講師として、デザイン・美術・色彩の指導をしてきました。その時、いつも心がけていることがありました。専門学校なので、技術的指導は勿論なのですが、絵を描くことやものづくりで、達成感を味わってほしいいということでした。人が人としてよりよく生きるために、自分が経験した達成感は、自分がネガティブ思考に陥った時、健全なポジティブ思考に切り替える原動力になります。少しでも達成感を味わってほしいという願いを込めて授業をしてきました。
これは、絵に限らす、なんにでもおきかえられることだと思います。スポーツが好きな人はスポーツで、音楽が好きな人は音楽で・・・というように自分の可能性を見つめ、少しの達成感でも味わうことができれば、自分を愛するきっかけや自信へとつながり、人間はポジティブ思考へと変換させやすくなると思います。
人間の一生はにぎやかなものです。愛や慈しみや憂いや怒りなど、体験の連続です。
このサロンは、手軽に色を感じ、色を学び、色で癒し、色で表現することができるサロンになればと思い開きました。いろいろなことを書かせて頂きましたが、カラーやアートを通して、ご自身の気持を楽にして、ポジティブ思考へと導くあしがかりになればと思いできたサロンです。街中にできたばかりの、小さな女性のためのサロンですが、これからも宜しくお願いいたします。
平井 ゆうこ
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